スポンサーサイト
--年 --月 --日 (--) --:-- | 編集
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


第6回梅棹忠夫・山と探検文学賞、受賞ならず
2017年 03月 15日 (水) 11:57 | 編集
先日、梅棹忠夫・山と探検文学賞事務局さまより、選考結果をお知らせいただきました。
中村逸郎『シベリア最深紀行――知られざる大地の七つの旅』(岩波書店)が受賞されたそうです。
おめでとうございます。

残念ながら、
村上大輔『チベット 聖地の路地裏――八年のラサ滞在記』
は、受賞ならず。
その講評は、次のようなものでした。

+++++++++++++++++++++++++++++++++
『チベット 聖地の路地裏』は、ラサ滞在8年間に及ぶ著者のフィールドワーク
をまとめたものですが、観察者の専門領域に偏ったものではありません。友人の
ラブレター、相手の慈悲にすがりながらの交渉術、死や生(性)を笑い飛ばすセ
ンス、市井に溶け込んだシャーマン、聖地巡礼は老後の一大イベントなど、チベ
ット人の神仏と生きる「路地裏」の暮らしぶりを、豊富な写真と平易な文章で綴
っています。確かで公平な異文化への眼差しにも好感が持てます。ただ、8年の
チベット滞在が却って「日常と非日常」、「生活者と観察者」の緊張(境界)を
あいまにしたように思えます。例えば、青蔵鉄道の全通が及ぼした影響、決して
裕福ではない市民がどのように寺院や僧侶を支えているのか、異国の基底にある
経済、政治、文化を掘り下げて語る視点がほとんどありません。慣れが、そうさ
せたのでしょうか。僅差で受賞を逃しました。
+++++++++++++++++++++++++++++++++

う~ん、「慣れ」という問題ではないように思います。
恐らく、評者の皆様にとって、村上さんが提示した「日常性の中の宗教性」は、
チベットに抱いていた「秘境」像と、相容れなかったのでしょう。
「例えば、青蔵鉄道の全通が及ぼした影響、決して裕福ではない市民が
どのように寺院や僧侶を支えているのか、異国の基底にある
経済、政治、文化」という既成概念が、実際にそこで住み、チベット人とともに
暮らすことで、融解し瓦解し、別の表情で立ち現れてくる。
それこそ、本書を読むという「探検」の醍醐味だと思っております。

編集T
スポンサーサイト


Comment
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
comment :
password :
secret : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright (C) 編集室の机から all rights reserved.
designed by polepole...

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。