フリクション
2016年 10月 14日 (金) 12:01 | 編集
いま、編集中のとある本は、とにかくさしかえが多い。
さしかえというのは、すでにゲラ(校正紙)になっているのに、赤での訂正にとどまらず、
数行または1~2頁まるまる新原稿にさしかえる、というものだ。
初校のときは、まだいい。
再校、三校と進んで来てのさしかえは、かなり痛い。
組版では、実際のデータ上に、級数を変えるファンクションキーや、フォントを換えるファンクションキーなど、
さまざまな指定が組まれている。それがいったん、おじゃんになって、また一から組めということになるので、
編集担当者としては、心が大変痛むわけである。
ついでにいうと、全体統一の目で見てきた、原稿整理の成果も、そこの箇所だけ外れてしまう。
これまで相談して決めてきた決めごとを、著者が守るとは限らないのである。
些末なことだが、「基づく」なのか「もとづく」とするのか。諸説ある史料名をどの名前で統一するかなど、
毎回、積み上げてきたものが、たぶん、まったく反映されていないとおぼしき原稿が、あらたに入り込むわけである。

さしかえは、極力避けたいので、さしかえ原稿を実際のゲラと照合して、訂正部分のみを、
赤でゲラに移し込む作業を進めるようにしている。こうすると、組み直しをする必要はなくなる。
それでもどうしようもない場合は、やむなく、さしかえ指示を行う。

事細かに赤で統一指示をしたゲラに、さしかえ範囲を赤で囲って指示をするわけだが、
印刷所のオペレーターさんは、とってもわかりにくのではないかと思う。

そこで、さしかえ箇所には、ピンクマーカーで囲むことにした。
また、その本には、図が多数あり、それもものすごい頻度でさしかえがあるので、
そっちは、水色マーカーで差し替え指示を行った。

ところが、その本の場合、著者から戻ってきた校正を、整理し直している途中で、
さしかえのさしかえの連絡が来たりするので、また、その上から指示を出す・・・。
印刷所にとって、めちゃくちゃ、ストレスのたまるゲラになってしまう。
そうすると、次の校正は、やはりオペレーターのミスが発生していたりする。

そんなわけで、フリクションのボールペンやマーカーを駆使して、
著者からの度重なる指示変更に対応することにしたら、こ~んなに集めてしまった。
フリクションとは、おしりについているゴム状のもので書いたものを消すことができるのだ。
これ、すこぶる便利である。

でも、校正になった段階で、さしかえ不可だという原則は、著者の皆様に心からお伝えしたい。

編集T






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