仏教からケアを考える(装丁のはなし帯編)
2015年 06月 11日 (木) 10:27 | 編集
さて、弊社では帯のキャッチは編集者が考えることになっている。
読者に興味をわきたたせる印象的なことばは何か。
説明的であってもならないし、かといってインパクトだけの検討はずれな言葉でもいけない。
あとで著者から「こんなこと言ってない。ちゃんと理解してくれていなかったのか」
というお叱りの言葉をもらったらどうしよう・・・・・・などと、頭のなかは妄想トークでいっぱいになるのである。
さんざん悩み、煩悩の雲霧にさえぎられるなか、ポッと小さな閃きが生まれ出たりする。
「よしっ、これでどーだー!」と、成文して社内回覧にかけると、
「全然、ぴんとこない。」「何が言いたいのか、わからない」「なんか、難しい」
と、情け容赦のない書き込みで回覧用紙が真っ黒になって戻ってきたりする。
ああ、閃きと思ったものは、砂漠の蜃気楼だったんだ・・・・・・。
そうやって、また、一から考え直していったりするのである。

本書も、そうやって、うんうん考えながら、最後に残った印象的な言葉
「私たちは、死者からケアをされている」をメインキャッチに設定してその他の作文したわけであるが、
文字数が結構ある。最初のラフ案では、文字だらけの印象がいなめなかった。
そこで、高麗さんに「メインキャッチを目立たせたいから、ほかの文字はもっと小さくしましょうか」と弱気な提案したのである。

高麗さん「そりゃ、ダメたよ。」
わたし「え?」
高麗さん「『タブーに踏み込む画期的ケア論』の言葉は、この本にとってとっても大事だと思うよ。だから、この言葉は小さくしちゃだめだよ。この最後の言葉を大きく残したまま、レイアウトで調整しよう。」

しびれました。
まさにプロの一言。

実際に刊行後、著者からの依頼で何人かの研究者の方に本書をお送りしたところ、
宗教学者のM先生から、「帯の呼び掛け文、大いに触発されました。何がタブーなのか、すぐに読み始めました」
というメールをいただいた。

思わず、ガッツポーズ。
そして改めて、デザイナーさんのプロ魂に感謝、感謝の一念を抱いたのである。

仏教からケアを考える2

編集T
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