あとがきに見る著者
2015年 02月 02日 (月) 14:40 | 編集
めっきり寒くなりました今日この頃。寒空の下に出たくないので、家にこもってコタツで本でも読もうか・・・と思われる方も多いのではないかと思います。

では皆さん、本を買われて読むときに、どこから読み始められますか?
「そんなの、はじめの部分からに決まってるじゃないか!」というツッコミの声が聞こえてきそうな質問ですが、実は私は本の一番後ろに付けられている「あとがき」から読み始めることが多いのです。
以下に理由を述べましょう。

いわゆる「研究書・専門書」というものには、たいてい「序章(論文で言えば「はじめに」)」というものがあり、おおよそ以下のようなことが書かれております。

  ・その研究をやる理由(研究史上の位置づけなど)
  ・これまでの研究(先行研究)の内容と問題点
  ・著者の研究視角
  ・本書の構成と明らかにした点

要するに「序章」で、著者がこれまでの研究にもの申す点や自身の研究のオリジナリティが明示され、その著者がその研究に取り組む学術的な理由が明示されますし、著者の研究に対する姿勢のようなものが読み取れるわけなので、必ず読まなくてはいけません。
ですが、如何せん難しいので理解できないこともしばしばで、初学者が読むにはしんどいですし、著者がどんな方なのかまではさすがに読み取ることはできません。

こんな時にぜひお読みいただきたいのが「あとがき」なわけです。

「あとがき」で書かれることというのはだいたい以下のようなことです。

  ・刊行した書籍のようなテーマを研究しようと思った理由
  ・自分が大学で経験したこと
  ・出版への経緯
  ・両親、家族やお世話になった人への謝辞
  ※これらはあくまで、ほんの一例に過ぎません

ここで、気付いた方もおられるかもしれませんが、「あとがき」でも「序章」のように、そのテーマを研究した理由が書かれているのです。ですが、その内容が大幅に異なります。
「あとがき」の理由というのは、その著者自身がこれまでに経験してきたことに多くの紙幅が割かれいるのが大きな特徴と言えるでしょう。

歴史学の著者を例に挙げますと、「司馬遼太郎が好きだから」、「(フィールドにしている地域が)出身地だったから」、「先生にやれと言われたから」、「信長の野望が好きだから」、「親がそれに関係する仕事に就いていたから」などなどです。

どうでしょう、著者が一気に身近な人に感じませんか?
著者の一番の本音が記される部分、著者の人間味が一番表わされる部分、それが「あとがき」であり、著者の人となりを知れる格好の「史料」でもあります。

結局何が言いたいかといいますと、難しい文章を書いて、一見自分とは住む世界が違うように見える著者も、「自分たちと同じ1人の人間である」ということです。

こういった視点で是非、「あとがき」を読んでみてください。
もしかすると、あなたと似たような体験を持った著者が存在するかも知れません。
同じような体験をしてきた著者が、果たしてその体験からどのような研究成果を世間に公表したのか、もしかしたら自分もそんな研究をしていたかもしれない。そう思うと、なんだかワクワクしてきませんか?

編集M

今回の記事作成に当たっては、以下のサイトに強く影響を受けました。
共感することが多く、とても面白いです。
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