柳田聖山語録(その5)
2017年 01月 31日 (火) 19:44 | 編集
「学問をする者に、忙しいという言葉を使うな」

これは、柳田先生のお宅へ校正をお持ちして、ご返却時期をうかがった際のこと。
ついうっかり「お忙しいとは思うのですが・・・・・・」という一言を言ってしまったのである。

すると、にわかに目をいからせて、けしからんと一喝された。
学問をする者に対して「忙しい」という言葉を使うとは何事か。
そんな考えなら、もう帰れと追い返されてしまったのである。
なるほど、「忙しい」は世事にかまけるということ。
そんなことにも思いをいたさず、うかうかと言ってしまう姿勢をぴしゃりとやられた。



そういえば、信楽峻麿先生にも似たような逸話があったと聞いたことがある。
大学院の授業でのこと。前の週に指定された本について、
一人一人に質問をされて行かれていた時、ある学生が
「忙しくて、読めませんでした」と答えた。
その一言を聞くやいなや、途端に信楽先生の表情が険しくなり、
一言も発さず黙られたまま、1時間を終えられた。
授業の鐘が鳴るまでの無言の時間が、どんなに恐ろしかったか・・・・・・。
その授業を受けていたお弟子さんから聞いた話だ。

以来、「お忙しいですか」という言葉は、あまり使わないようにしている。

編集T

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